2003年6月30日 3年めで実現した講習会

 

岐阜県から訪問されたMさん

2001年の講習会に来る予定だったのが、都合で来れなくなり、3年目にして実現しました。Mさんは岐阜県でご自身の工房を持ち指導されています。

木綿に濃く染める方法の多くは、あらかじめ豆汁や牛乳など(たんぱく質の地入れ)の中に布を浸して乾燥させてから染めることが行なわれます。また、市販の「濃い染め処理液」で加工する場合もあります。

草木染めでは木綿が染まりにくいのです。ただ、上の方法を採ると染めムラが出やすくなったり、植物毎の色の違いが分からなくなることがあります。

ウチでは、どうしても、その(名産品や特定の)植物を染めなければならないとき以外は、木綿に染まりやすい植物を染め重ねて安定した色を出しています。(左の写真)この他にアカネのピンクや藍の色、ゴバイシやヤシャブシのグレー、アメリカセンダングサのオレンジ、マリーゴールドの鮮やかな黄色などなど、魅力的な色がたくさんあるのですから。

手間を惜しまなければ、木綿でも多彩な色を染めることができます。模様も主婦の手仕事として絞りでできますし、花や鳥や蝶、人物模様や動物、幾何学模様など多種多様に染め上げることができます。

今回は、一泊二日約8時間の講習でしたが、Mさんの仕事に役立つような「折りたたみ絞り」と「木綿の重ね絞りタペストリー」をマスターしてもらいました。

写真(左下)はMさんご自身が染めたの「さくら染め」です。織りの入ったハンカチ2枚が濃淡2色で染められています。桜を染めるのにも、花、葉、幹によって染め方が違うようです。

ここで習得した方法がMさんの今後の活動に役立つことを願っています。私たちにとっても学ぶこと考えることの多い出会いでした。

レポート:能登の手


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