NotoNote2001:染め心

 

 

「源氏物語の頃・その1」  

―――汗臭い・・・――― 

「暑〜〜〜〜い!」真夏日、汗かいて木綿のハンカチを染める。絹なら簡単に染まるのに。と思いながら木綿布には何度も染めて洗って媒染して、また洗う。

しかし夏の衣服には木綿布がありがたい。

木綿が中国から輸入されたのは15〜16世紀、奈良、平安時代の貴族は草木染の絹の着物を着ていたんだろうなぁ〜〜。夏場はどうしていたんだろう?

布は洗うと傷む。色のためにも生地のためにも洗う回数は少ない方が良い。その昔、今のような洗濯の習慣は無かったと思われる。たぶん(見ていないので・・・当然だが)。下着くらいは水洗いか灰汁か、サポニンを含む物で洗ったかも?いずれにしても十二単衣の着物をジャブジャブ洗ったとは考えにくい。(十二単衣は十二枚の着物をかさねたのではなく、今で言う伊達襟を何枚か重ねた着物ともいわれている)

風呂に入る習慣も無かっただろう〜。水浴びやお湯で体を拭く事くらいは行っていただろうか・・・。

ん?しかし昔の貴族って、もしかして汗臭いンと違う?・・・う〜〜〜、紫式部も清少納言も、もわ〜〜っと汗臭い女か?んげげ。想像せん方がイイかも。

だから、香道が発達したんかな?うーー。ヨーロッパでハーブや香水が発達したのも体臭が強かったと言う理由らしい・・?日本人の食生活もヨーロッパ、アメリカナイズして、もしかしたら昔より体臭、強くなった?お〜〜ぉ、それで日本でもハーブが流行ったんか?・・・あり得る。

なるほど、と自分の仮説に妙に納得(^^;)

「汗臭い紫式部」と「おやじ臭100%」の相席

紫式部ファン、奈良平安貴族ファン、ハーブファン、香道ファン、香水ファン、並びにオヤジファンの皆様、文中の不適切な表現をお許し下さい。染日記2000年8月2日より抜粋


「源氏物語の頃・その2」

――― 吹き抜き屋台 ――― 

源氏物語絵巻などに見られる屋根がなく奥に広がった絵の描き方を「吹き抜き屋台」という。

今の私たちの目では、近い物ほど大きく遠くが小さく見えるので、この絵は変?

で、その昔、吹きぬき屋台は「主人公が大事だから、大きくわかりやすく描く方法」として習った。・・・これって、ほんとうかな〜???

ここにタバコの箱があります。箱を鼻の先、目の前10cmに持ってきます。そのまま箱の向こうを、ちょっと上げて向こうの幅に目の焦点を合わせてジ〜ッと見ます。

手前の幅より向こうが大きく見えませんか?

座ったまま目の前の壁を見ると床の幅よりも天井の幅の方が長く見えます。私の目からの実際の距離は、床の方が近くて天井の方が遠いのですが。

どうですか?ニャハハ。

これは両目で同時に物を見る方法です。片目で物を見ると近くが大きく遠くが小さくなるんです。

今はテレビや雑誌、写真など、カメラの1個のレンズで見る遠近法、透視法に慣れてます。これらの映像はちょうど1つのレンズ(片目)で見たものばかりなんです。

カメラの無かった源氏物語や浮世絵の時代は、わざと遠くの主人公を大きく描いたのではなく、もしかしたら、本当に遠くが大きく見えたのかもしれません。

・・・わたしゃ、片目でばっか物を見てるンか?なんてネ。ちなみに利き目は右。

これは、石川県穴水町のタウン誌「Wassa!」2号、1996年8月発行の掲載文を書き直したものです。染め日記2000年8月4日(金)より抜粋

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