はじめに

「能登草木の染め研究室」は、能登に育つ草木や古くから使われている植物染料を使い、絞りの重ね染めやローケツ染め作品を創作しています。

能登の自然の中で培われた草木の染め作品をお楽しみ下さい。

能登草木の染め研究室 代表 新谷幸子 


草木染め

人々は古くから草や木の汁で糸や布を染めていました。

基本の染め方は、 
1:草木の"葉・幹・根"を集め 2:煮だす 3:煮汁で糸や布を染めて 4:媒染をする
この方法で、ほとんどの植物液が染まります。しかし、染まっても、すぐに色あせてしまうものもあります。また、染め方によっては他の布を汚してしまうこともあります。一種類の植物のなかでも根を染めるのが良いもの、木の芯が良いもの、葉が良いもの、それぞれの植物にふさわしい染め方で、できるだけ美しく長持ちする方法が探されてきました。普通に煮だして染める方法の他に、藍、紅花、紫草などの特殊な染め方もあります。

それぞれの草木に応じて
植物から取り出した染料液は絹や毛糸の動物性繊維には染まりやすく、木綿や麻の植物性繊維には藍やヤシャブシ・タマネギの外皮やクリ・アカネ・マリーゴールドなど一部の植物しか染まりません。化学染料が発達するまでは、身近な草木を使って繊維を染めて織り上げていました。現在では各地に伝えられていた染め織りの伝承も少なくなりましたが、身の周りの自然には染めることのできる植物がたくさんあります。

古くからの技法と新しい工夫
従来、草木染では多色の重ね染は難しいものとされていましたが、メンバーの工夫の積み重ねで、絞りの重ね染め作品を染め上げることができるようになり、藍の生葉染めやインド藍染めも併用しローケツや絞りの複合技法による作品も創作しています。先人から伝えられた染め方と、その上に新たに工夫した方法で草木の染めを楽しむことができます。

能登草木の染作品の特色
草木染めの新しい魅力と自由な表現を求めて
◎絞りの重ね染め
創作図案を元に色彩計画をして絞りと染を何度も繰り返します。
染めと媒染を何度も重ねることによって色彩は味わい深くなり長持ちします。手絞りによる柔らかなラインと草木染めの色が魅力です。
◎ローケツ草木染め
植物の染料で色々な模様を表現するには、ローケツ染めが適しています。絞りの柔らかさに対してローケツ染めはシャープなラインで絵や文字を描くことができます。また、ローによる表現の自由さを活用し、かすれや滲み、ボカシ染めなど様々な手描きの技法を使うことができます。


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